おひとりさまはどの種類の遺言書を作成すべきか

亡くなったときに、すべての財産が0円ということは、滅多にありません。

たいてい、預金や不動産などの財産が残っています。

その処分はどのようにするのでしょうか。

財産が残っていれば、たいていは、相続人の話し合いによって分けることになります。

これを遺産分割協議といいます。

では、
亡くなった人(被相続人)が思い通りに財産を相続人に分ける方法はないのでしょうか?

それがあるのです。

遺言書を作成すればいいのです。

 

はぴ
おひとりさまが遺言書を作成する場合、どの種類の遺言書がいいのか解説します。

おひとりさま遺言書の種類3つ

遺言書は普通方式と特別方式のものがあります。
特別方式とは、
死が直前に迫っていたり、病気で隔離されたりしているときに作成するものです。
通常は普通方式の遺言書を作成します。
そこで、
普通方式の遺言書について説明します。

よく利用されるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、
おひとりさま自分一人で作成できます。

自筆証書遺言は、
遺言者がすべてについて自筆で作成するものです。

2018年8月現在は、すべての文言を自筆で作成する必要があります。
そのため、
遺言書本文ばかりではなく、財産目録もすべて自筆で作成する必要があります。

自筆証書遺言のメリット

用紙や筆記用具の指定もないので、ノートに鉛筆など、思いついたときに、すぐに作成できます。
証人も不要です。
遺言の内容だけでなく、遺言が存在すること自体を秘密にできます。

自筆証書遺言のデメリット

自筆証書遺言では、
作成年月日、署名押印が必須です。
ひとつでも忘れると、無効になります。
また、
財産目録の記載漏れや、記載ミスによって、自筆証書遺言が無効となることもあります。
自宅で保管するため、
相続人による改ざんや、無くしてしまうなどの紛失のおそれもあります。
また、
相続発生後、自筆証書遺言の存在を家庭裁判所で確認してもらう、検認という手続きが必要となります。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、
公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。
遺言者が公証人に遺言内容を口述すると、公証人が法的に問題なく、遺言書を作成してくれます。

公正証書遺言のメリット

公正証書は、
法律文書作成のプロである公証人が作成するため、法的に問題のない遺言書が作成できます。
ただし、
遺言の内容については、公証人はチェックしてくれないので、遺留分や相続人について、事前に自分で調べて、遺言を作成する必要があります。
そのため、
専門家に遺言書の作成を依頼すると、相続人調査と資産評価をすすめられます。
また、
公正証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続きがいりません。
相続開始後、公正証書遺言があれば、その遺言書にもとづいて、預金や不動産などの名義変更など、相続手続きを始めることができます。

公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言の作成には、時間と費用がかかります。
公正証書遺言の作成費用は、財産の金額によって決まっています。
また、
公正証書遺言の作成には、証人2人の立ち合いが必要となります。
そのため、
自分で証人を見つけることができない場合には、証人2人分の費用も負担しなければなりません。
証人がいることから、内容を秘密にしておきたい場合には使えません。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、
遺言者が作成し封印した遺言書を公証人に持参し、その遺言書の存在を公証人に証明してもらうものをいいます。

秘密証書遺言のメリット

秘密証書遺言のメリットは、
遺言の内容は知らせることなく、存在を証明してもらえることです。
遺言者の亡くなる前から、相続人たちが遺言書の内容を知って、争うということもありえます。
そこで、
内容は秘密にして、遺言書の存在だけ公にしておくことができます。

秘密証書遺言のデメリット

公証人に証明してもらうため、費用がかかります。
また、
公証人に証明してもらえることは、遺言書の存在だけです。
そのため、
遺言書の内容に不備があると、無効になってしまいます。
また、
2人以上の証人が必要なので、証人を自分で用意できないと、依頼費用がかかります。

おひとりさまはどの種類の遺言書を作成すべきか

おひとりさまの場合、一人暮らしの人が多いのではないでしょうか。

また、
おひとりさまが作成した遺言書の存在を知る人もいないかもしれません。

そのため、
2018年8月現在では、自筆証書遺言は不向きでしょう。

(今後、2020年7月までに、法務局で自筆証書遺言の預かり保管が始まります。法務局での自筆証書遺言の預かり保管制度が利用できるようになると、おひとりさまでも自筆証書遺言は有効に利用できるようになります。)

また、
秘密証書遺言では、遺言書の内容までのチェックがないので、おひとりさまの死後、せっかく作成した秘密証書遺言が無効になることもありえます。

おひとりさまの場合、
相続人調査と資産評価をしたうえで、内容に問題のない公正証書遺言を作成することがおすすめです。

おひとりさまはどの種類の遺言書を作成すべきかまとめ


①普通方式の遺言の種類は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がある。


②おひとりさまの場合は、公正証書遺言がおすすめ。


③公正証書遺言の作成の場合には、相続人調査と資産評価を行ったうえで、内容に問題のない遺言書を作成する。

遺言書を作成すると、ほっとして重要なことを忘れてしまうものです。

遺言書は作成して終わりではありません。

おひとりさまが亡くなった後の、財産の分配を決めるものです。

そこで、おひとりさまが亡くなった後、遺言の内容を実現してくれる人を確保しておく必要があります。

遺言の内容を実現してくれる人を遺言執行者といいます。

遺言書を作成するときに、遺言執行者を決めておくことをおすすめします。

 

 

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