おひとりさまの遺言、自筆証書遺言も選択肢に?

20187月に自筆証書遺言について法改正がありました。

 

また、自筆証書遺言の保管制度について法律が成立しました。

 

20207月までに施行される予定です。

 

はぴ
自筆証書遺言の保管に関する新法と自筆証書遺言に関する法改正について説明します。

 

 

おひとりさまの遺言、自筆証書は今は不向き

 

自筆証書遺言とは

 

自筆証書遺言は、おひとりさま自分一人で作成できます。

 

自筆証書遺言は、遺言者がすべてについて自筆で作成するものです。

 

20188月現在は、すべての文言を自筆で作成する必要があります。

そのため、遺言書本文ばかりではなく、

財産目録もすべて自筆で作成する必要があります。

 

また、自筆証書遺言は自宅で保管することがほとんどだといえます。

 

すると、自筆証書遺言の存在自体を誰にも知られることがないことが多いといえます。

 

 

 

おひとりさまの遺言、なぜ今は自筆証書遺言だと不向きなのか

 

おひとりさまの場合、一人暮らしの人が多いのではないでしょうか。

 

また、おひとりさまが作成した遺言書の存在を知る人もいないかもしれません。

 

せっかく自筆証書遺言を作成しても、存在を知ってもらい、遺言の内容通りに実行にうつしてもらえなければ、まったく意味がありません。

 

そこで、存在自体が公にできない自筆証書遺言は、20188月現在では、

おひとりさまには不向きだといえます。

 

自筆証書遺言、すべてを自筆で作成する必要がなくなる

 

自筆証書遺言の問題点

 

すべてを自筆で作成する必要がある

 

近年は、高齢社会となり遺言書を作成する人が増えました。

しかし、自筆証書遺言はすべて手書きでなければならず、

財産目録まですべて自筆である必要があります。

 

そのため、

財産目録の記載の不備により法的な要件を満たさないことも多く、

無効になることもあり、

自筆証書遺言の利用面で大きな課題となっていました。

 

 

紛失や改ざんのおそれ

 

自筆証書遺言は自宅で保管されることがほとんどです。

 

そのため、

相続人による遺言書の改ざんや、

どこへしまったか分からなくなるといった紛失のおそれがあります。

 

検認が必要

 

自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所での検認の手続きが必要です。

 

検認により、たしかに自筆証書遺言があるのだということを確認してもらえます。

 

検認後に、相続の手続きが進められるようになります。

 

 

財産目録などは、パソコンを使って作成できるように

 

自筆証書遺言の目録を添付する場合に、

目録のすべてのページに署名、押印すれば、自書する必要がなくなります。

パソコンで財産目録を作成し、すべてのページに署名、押印すれば自筆証書遺言を作成できることになります。

パソコンで財産目録を作成する以外の方法として、

不動産の登記事項証明書、預貯金通帳のコピーを添付する方法などが想定されています。

 

 

自筆証書遺言を法務局が保管してくれるように

 

自筆証書遺言を法務局で保管する制度

 

自筆証書遺言の紛失や変造のおそれを予防するなど、

相続をめぐる紛争を防止するため、

「法務局における遺言書の保管等に関する法律」

20187月に成立しました。

この法律により、

自筆証書遺言を法務局に保管する制度が創設されました。

保管される自筆証書遺言は遺言者が作成した原本です。

 

自筆証書遺言の保管制度の手続きの流れ

 

手続の流れは、以下の通りです。

①遺言者自身が法務省令で定める様式に従って作成した

無封の自筆証書遺言書を法務局に持参し、

遺言書保管官に保管の申請をします。

(遺言者以外の人へ依頼する代理申請はできません。)

②遺言書保管官は本人確認をします。

③遺言書保管官が遺言書原本の保管および画像ファイルを記録・管理します。

 

自筆証書遺言の保管制度を利用した場合の費用

 

自筆証書遺言保管制度を利用する場合、

政令で定める手数料が必要です。

いくらになるかはまだ発表されていません。

 

相続開始後、どうやって遺言書の中身を知ればいいの?

 

遺言者が亡くなると相続が開始されます。

相続開始後、遺言者の相続人、受遺者、遺言執行者は法務局に対して、次の請求ができます。

 

①遺言書情報証明書(遺言書の画像ファイルなどの証明書)の交付

②遺言書の閲覧

③遺言書保管事実証明書(遺言書の作成年月日、遺言者の情報、受遺者や遺言執行者の情報、遺言書保管場所の名称及び保管番号の証明書)の交付

 

相続人等の1人が、①②の手続きをした場合、法務局からその他の相続人、受遺者、遺言執行者へ遺言書を保管していることが通知されます。

 

どのように自筆証書遺言の存在が遺言者の死後に相続人にすみやかに通知されるのか、仕組みについては検討中とのことです。

 

検認は不要に

 

検認とは、家庭裁判所で遺言書の存在と内容を調査してもらう手続きです。

 

現行では、自筆証書遺言は相続開始後、家庭裁判所での検認が必要です。

 

ところが、

法務局での自筆証書遺言保管制度を利用した場合、検認が不要となります。

 

そのため、遺言書に基づきすぐに手続きを始められます。

 

 

おひとりさまの遺言、自筆証書遺言も選択肢に?まとめ

 

①現在は、おひとりさまには自筆証書遺言は不向きである。

20187月の民法改正により、今後、財産目録などは、パソコンでの作成でも可能になる。

③法務局での自筆証書遺言保管制度により、おひとりさまでも遺言書の存在が公にできるようになる。

 

法務局での自筆証書遺言保管制度により、

遺言書の改ざんや紛失のおそれがなくなります。

 

自筆証書遺言を作成しても、

その存在自体を他人に知られることのないおひとりさまにとって、

今後は、法務局で自筆証書遺言を保管してもらうことで、

遺言書の存在を公にすることができるようになります。

 

費用がどのくらいかかるのかまだわかりませんが、

公正証書遺言に比べて安価になれば、

利用者は増えることでしょう。

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