親の介護が原因で離婚する「介護離婚」という言葉を耳にすることが多くなってきました。

 

児玉浩子
そこで、介護離婚を避ける方法についてお話します。

 

介護離婚とは

 

介護離婚とは、夫や妻の双方の親の介護が原因となる離婚のことをいいます。

 

最近は、親の介護で介護離婚という報道をよく目にするようになりました。

 

では、実際のどのくらいの人が、介護離婚しているのでしょうか。

 

介護離婚の割合

 

残念ながら、介護離婚については、正確な統計がありません。

 

ただ、一般的に50代、60代での熟年離婚が増えており、その中の何割かが介護が原因の介護離婚ではないかと推測されています。

 

そこで、親の介護で介護離婚を避ける方法を検討します。

 

 

介護離婚の原因

 

介護離婚の原因は様々考えられます。

 

実際に介護離婚した当事者はあまり多くを語らないので、実際のところ表立っていないのが現状です。

 

ですが、介護離婚の原因はいくつか挙げられます。

 

 

 

妻に夫の両親の介護をさせたため介護離婚される

 

介護離婚で多いのは、妻が夫の義理の両親を介護している場合のようです。

現在介護離婚を検討しているのは、熟年といわれる50代くらいの夫婦が多いことでしょう。

この年代ですと、まだ嫁が夫の義理の両親の介護を担うことを当たり前のように考える男性も多いことでしょう。

そこで、夫が自分の両親を妻に介護させたことによる介護離婚の原因を考えてみましょう。

 

 

(1)夫が介護に協力しない

 

義理の両親は夫の両親です。

それにもかかわらず、夫が親の介護をせず、妻に丸投げしたらどうでしょうか。

夫の両親と妻は仲が良くないことも多いことでしょう。

仲の良くない義理の両親の介護を妻に丸投げして、仕事が忙しいことを理由に、夫が親の介護にたずさわらなかったら、妻としては離婚を検討するのではないでしょうか。

「民法第877条 1項 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」

妻は夫の両親の直系血族にあたらないため、妻には夫の両親の直接的な介護義務はありません。

妻は離婚することで、夫の両親の介護から逃れることができるのですから。

 

(2)夫の兄弟姉妹が口だけ介護をする

 

民法8771項により、妻には夫の両親の直接的な介護義務はありません。

夫の両親の介護は、本来夫と、その兄弟姉妹が行うべきものです。

それにもかかわらず、夫も介護に協力せず、独立した夫の兄弟姉妹も親の介護をせず、嫁である妻に介護を押し付けたとしたらどうでしょうか。

介護に協力しない夫の兄弟姉妹ほど、親の愚痴の聞き役になるものです。

すると兄弟姉妹は、親が嫁の悪口を言ったりすると、それを夫へ告げ口します。

夫がそれを真に受けて、親を介護してくれている妻へ文句を言ったら、義理の両親の介護をしてくれている妻はどう思うでしょうか。

妻は文句を言われてまで介護する義務はないのですから、当然離婚を考えるのではないでしょうか。

 

(3)夫も義理の両親も妻に感謝しない

 

数十年前の日本では、嫁が家事も介護も担うのがあたりまえでした。

その感覚が古い世代の義理の両親や夫に残っているのでしょうか。

夫も義理の両親も、妻に介護してもらってあたりまえのように感じていることがあります。

妻に介護してもらって当たり前と思っているのですから、当然「ありがとう」なんて言いません。

妻は夫の両親の介護のため、1日中家で奮闘しています。

それにもかかわらず、どんなに介護しても当たり前で済ませられてはたまりません。

民法8771項で、妻には夫の両親の介護の義務はないことがはっきりしています。

義務がないのに、夫の両親の介護を担ってくれている妻に、夫も義理の両親も感謝しなければ、無給で介護している妻は、耐えられないのではないでしょうか。

当然妻は離婚を考えることでしょう。

 

 

介護者が介護うつなどの精神疾患にかかり介護離婚

 

介護者が介護によってうつ状態になる、介護うつと言う言葉も最近耳にするようになりました。

 

実際に私の母も24時間続く認知症の祖母の介護で、精神的ダメージを受け、介護うつになりました。

 

介護うつの母の言動に耐え切れず、両親は介護が原因の介護離婚をしました。

 

在宅介護は介護する家族への精神的・身体的負担が重く、介護うつに気をつける必要があります。

 

介護うつになると、一緒に過ごす夫や妻にとって、耐えがたいものになることでしょう。

 

それが、介護が原因の熟年離婚、介護離婚の原因になり得ます。

 

 

介護離婚したらどうなるか

 

夫の場合

 

5060代の男性の場合、家事育児をすべて妻に任せていた人が多いのでは。

 

介護離婚すると、自分の日常生活の家事全般と親の介護すべてを自分で引き受けなければならなくなります。

 

今まで自分の家事すらしたことがないのに、それに加えて親の介護までするとなると、かなりの負担になります。

 

自分の日常生活の家事自体が負担となって、仕事が続けられない介護離職する人もいるとききます。

 

介護離婚のために仕事までやめることのないようにしたいものです。

 

妻の場合

 

50代、60代で専業主婦をしていた場合、夫に経済的に依存していたのではないでしょうか。

 

離婚すると、十分な財産分与を受けることができればいいのですが、そうではない場合、たちまち経済的に困窮することになります。

 

それがネックとなり、夫の両親の介護がイヤなのに、離婚にふみ切れない人も多数いると推測されます。

 

 

親の介護で介護離婚を避ける方法

 

これから高齢者がどんどん増えます。

親の介護をしなければならない人も増えることでしょう。

そこで、親の介護で介護離婚を避ける方法について検討しましょう。

 

(1)自分の両親の介護は自分でする

 

数十年前までは、夫が仕事をし、妻が専業主婦という世帯が多かったこともあり、妻が夫の両親の介護を引き受けざるをえない状況もありました。

しかし、内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書(概要版)」 平成29年版によると、平成9年以降は共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻から成る世帯数を上回っているそうです。

現在では、専業主婦で介護をになえる妻は少数派です。

そこで、夫は自分の両親の介護を妻任せにするのではなく、自分がメインで介護するようにしましょう。

妻には、夫の両親を介護する義務はありません。

妻には、どうしても人手が足りないときに、お願いして協力してもらう程度に、自分の両親の介護にかかわってもらいましょう。

義務がないのに義理の両親の介護をするのは、たいへんなストレスです。

夫も妻も、お互い相手にストレスを与えないようにして、介護離婚を避けましょう。

 

(2)感謝する

夫も妻もお互いに結婚するとやってもらって当たり前と考えてしまうようです。

そして、やってもらったことに対して感謝することを忘れてしまうようです。

そこで、夫も妻も、自分の両親の介護のことで、配偶者に手伝ってもらったときには「ありがとう」という感謝の言葉を忘れないようにしましょう。

感謝の言葉ひとつで、介護を手伝った夫や妻の気持ちがやわらぎます。

感謝の言葉を声に出して、介護離婚を避けましょう。

自分の親の介護を、仕事が忙しいことなどを理由に配偶者に押し付けていませんか。

もし親の介護を引き受けたのでしたら、自分の親の介護は、自分でやるようにしましょう。

配偶者には、自分の親の介護をする義務はありません。

夫や妻は、義理の親の介護から逃れるために、介護離婚の選択をされないようにしましょう。

もし夫が妻に親の介護を押し付けていた場合に、もし妻に離婚されたらどうなりますか。

当然介護は夫自身でしなければならなくなります。

そのときに、妻がいないので、誰も助けてくれる人がいない状況になります。

そのような状況にならないためにも、介護離婚は避けたいですね。

 

(3)介護うつにならないように気をつける

 

ちなみに、私の両親も介護離婚しました。

20年前に両親が離婚したときは、介護離婚という言葉はありませんでした。

もともと、夫婦仲が悪く、よくケンカしていたのですが、母が祖母を引き取ってから悪化しました。

父は子どもが親の面倒をみるのは当り前という、昔ながらの考えの人。

病院へ行くといっては、運転手を買って出たり、母が祖母の面倒をみることに、協力していました。

それでも、祖母の介護が長引くにつれ母の介護うつが重くなり、ケンカの回数が増えてくると、だんだん同居が難しくなりました。

そして、祖母が亡くなった後も終わらない、母の被害妄想による言動や行動に耐え切れず、とうとう祖母が亡くなって数年後に両親は離婚しました。

 

 

【経験者が語る】これは悲惨!介護で熟年離婚の現実 介護離婚とはまとめ

 

・夫は自分の両親の介護は、妻にさせずに、自分がやりましょう。

 そうすることで、妻から離婚を切り出される可能性が減ります。

 

・介護をしている間は、自分のメンタルに気をつけ、介護うつにならないようにしましょう。

介護うつが原因で、夫婦関係が破綻し、介護が原因の介護離婚になりかねません。

 

もし、あなたがパートナーのことを大切に思っているのであれば、優先順位を考えてみましょう。

もし最優先事項が親の介護であるのであれば、それは良し。

そうではなく、パートナーや子どもとの生活がより大切であるのであれば、親の介護計画を見直しましょう。

そして、大切な人との別れを経験しなくてもすむように願っています。

 

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